ガネーシャ・ヴィサルジャン
ガネーシャ・ヴィサルジャンについて
ガネーシャ・ヴィサルジャンは、10日間に渡るガネーシャ降誕祭の最終日にあたります。
アナンタ・チャトゥルダシーと呼ばれる、バードラパダ月(8月〜9月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の14日目に祝福されます。
10日間に渡るガネーシャ降誕祭の間、伝統に従う人々は、土でできたガネーシャ神像をそれぞれの家庭に祀り礼拝を行います。
そして、10日間の礼拝を終えると、そのガネーシャ神像を海や川へと流します。
このガネーシャ神像を海や川へと流す行為はガネーシャ・ヴィサルジャンと呼ばれ、霊性を育む大切な教えが秘められています。
必滅で有形である肉体を持つ私たちにとって、不滅で無形である神に心をよせることは、非常に困難なことであると、かのクリシュナ神は説いています。
そして、無形の神を念想するよりも、有形の神を念想するほうが、より容易に成就に達することができると説きました。
(バガヴァッド・ギーター 12章)
土に水を加えて捏ねながらガネーシャ神の姿を形作る時、私たちはより明確に、障害除去の神としてのガネーシャ神の姿を意識することができます。
ガネーシャ神の姿には、すべての災いを取り除き、幸福をもたらすための叡智が諸所に秘められています。
そうして目に見えるようになったエネルギーを、私たちは10日間に渡って礼拝します。
さまざまな思いを込めて礼拝を行ったガネーシャ神像を最後に手放すことは、決して容易なことではありません。
しかし、この10日間に育まれたガネーシャ神との繋がりは、姿や形に限定されるものではなく、その姿や形がなくなったとしても、私たちはその本質に繋がった心を見失わずにいる必要があります。
この祝祭を通じ、姿や形といった目に見える物はある時間が来れば消えて無くなるという事実を身をもって示すガネーシャ神は、より明確に、私たちを非顕現の真理に導きます。