「EXPRESS STAR TELLER」2025年4月号は、インド占星術とスピリチュアリティの深遠な世界への扉を開く権威ある月刊誌です。本号は、2025年5月から始まるラーフの水瓶座、ケートゥの獅子座への移行という重要な天文現象に焦点を当て、その影響と対策を詳細に解説しています。太陽暦新年「ヴィシュヴァヴァス」の到来を祝いながら、各国への影響予測も提供。さらに、土星の悪影響を軽減するためのカール・バイラヴ神の崇拝法や、スワミ・ダヤーナンダ・サラスワティーによる「始める恐怖」を克服するための叡智が語られています。南インドの珍しいラーフ・ケートゥ寺院の探訪記や2025年の天体現象カレンダーなど、伝統的知恵と実践的なガイダンスが詰まった一冊です。
「グルからの指導」というコーナーで紹介されているスワミ・ダヤーナンダ・サラスワティーの記事は、人生における「始める恐怖」(aarambha-bhaya)という根本的な課題に焦点を当てています。サラスワティー氏によれば、多くの人々が何かを始めることに恐怖を感じ、それが創造性や行動力を阻害し、重要な決断を下すことを妨げています。彼はこの恐怖の背景にある心理を深く掘り下げつつ、実践的な洞察を提供しています。
氏は、チームでのビジョン共有の重要性を寺院建設の例を用いて説明します。石造寺院を建設する主任建築家(スターパティ)は全体のビジョンを持ち、それを石工や彫刻家たちと共有することの必要性を強調します。「これが柱になる、大きな一つの石でなければならない」という具体的なビジョンを共有することで、労働者は単なる賃金以上の意味を見出し、寺院建設という大きな目的の一部として働くことができるのです。
サラスワティー氏は、人間が機械ではなく感情を持つ存在であるという本質的な理解を示し、何かを達成することへの満足感の重要性を説きます。家族におけるオープンなコミュニケーションの価値や、明確さと簡潔さを兼ね備えた表現の重要性も強調しています。「明確さのない簡潔さは無意味であり、簡潔さのない明確さも同様に無意味である」という洞察は、効果的なコミュニケーションの本質を捉えています。
恐怖の原因として、氏は「常に成功すべきだ」という考え方を指摘します。人生には制御できない多くの変数があり、障害に遭遇することは避けられません。真の成功とは、予期せぬ障害に遭遇しても、それに対処し前進する能力にあるとサラスワティー氏は説きます。この記事は、恐怖を克服し、より充実した人生を送るための深遠かつ実践的な知恵を提供しており、読者の自己成長と内なる障壁の克服を促しています。
「RARE TEMPLE」と題されたHemamalini Raghunathan氏による記事は、タミルナードゥ州トーラヴィッリマンガラムにある珍しい「イラッタイ・ティルパティ」寺院を探訪したレポートです。この寺院は、インド占星術において特に重要な意味を持つラーフとケートゥ(月の交点)のための特別なプラハーラ(浄化)寺院として知られています。
記事の冒頭で著者は「人生にポジティブな転機をもたらす」というこの寺院の特別な力について触れています。ラーフとケートゥは通常、インド占星術において悪影響をもたらすと考えられている天体ですが、この寺院はそれらの悪影響を軽減し、浄化する役割を果たしています。寺院の建築様式や歴史的背景についても詳しく説明され、南インド特有のドラヴィダ様式の建築的特徴が紹介されています。
著者はこの寺院を訪れる際の適切な時期や、執り行うべき儀式についても詳細に解説しています。特にラーフとケートゥの支配時間帯に行われる特別な浄化儀式は、占星術的な問題—特にカルマの浄化や過去生からの障害の除去—に効果があるとされています。訪問者は自分の出生図(ジャーナマ・クンダリ)を持参し、寺院の司祭に見せることで、個人に合わせた特別な祈りを捧げてもらうことができます。
この寺院の最も特徴的な点は、ラーフとケートゥが同じ境内で崇拝されていることで、インド全土でも非常に珍しい配置となっています。通常、これらの天体は互いに正反対の性質を持つため、別々の場所で崇拝されることが多いのです。寺院の祭壇には、蛇の頭を持つラーフと蛇の尾を持つケートゥが、それぞれ特徴的な姿で彫刻されています。
著者は実際にこの寺院を訪れた人々の体験談も紹介しており、キャリアの障害が取り除かれた例や、長年の健康問題が改善した例など、具体的な「成功事例」も含まれています。記事の締めくくりでは、インド占星術の実践者にとってこの寺院が「必見の聖地」であることが強調され、精神的な浄化と人生の変革を求める読者に訪問が推奨されています。伝統的な叡智と現代の課題を結びつけるこの記事は、スピリチュアルな旅と自己探求に関心のある読者にとって貴重な情報源となっています。