『Express Star Teller』2026年3月号(Vol.35, Issue 02)は、ヴェーディック・ジョーティシュ(インド占星術)とスピリチュアリティの世界を深く探求する一冊です。表紙を飾る特集「Affluence and the Affluent: Dhan Yogas」では、アンバニ家のホロスコープを通じて富と繁栄をもたらす惑星配置を解明します。ヒンドゥー太陰暦新年とインド政治の動向を占星術的に分析する記事、2026年の数秘術ガイダンス、魚座新月チャートのマンデーン占星術的含意など、実践的な情報が満載です。プージャ・スワーミー・ダヤーナンダ・サラスワティー師のサットサンガでは、状況を変えても悲しみは解消されないという深遠なヴェーダーンタの教えが説かれます。さらに、スリランカ・キャンディの神聖な仏歯寺の歴史と伝説を紹介する「Rare Temple」コーナー、著名人のホロスコープ分析、署名分析、ラージャ・サンバンダ・ヨーガ、カルマヴィパーカ・サンヒターなど、占星術の上級者から初心者まで幅広く楽しめる内容です。毎月の運勢予測、ムフールタ(吉時)、株式市場のタイミング予測など、日常生活に役立つ実用的な情報も充実しています。
「Guidance from Guru」コーナーでは、プージャ・スワーミー・ダヤーナンダ・サラスワティー師とのサットサンガ(霊的対話)が掲載されています。本記事の中心テーマは「状況を変えることで悲しみを解消できるか?」という問いです。師は冒頭で、外界が悲しみの原因であるならば、新しい状況を作ったり新しい場所に移動したりしてもそれを取り除くことはできないと明言します。どこへ行こうと、何を変えようと、状況がもたらす幸福は常に相対的であり、あらゆる状況には二面性があると説きます。一方が良ければ他方はそうではなく、したがって状況を変えることで悲しみの問題を解決することはできないのです。
師はまず天国のさまざまな概念を取り上げます。インドの聖典によれば、天国には飢え、渇き、老い、死がなく、あるのは踊りと音楽だけですが、やがて退屈するだろうと述べます。また西洋のある宗教宗派の教えをユーモラスに引用し、天国での永遠の晩餐の逆説を描きます。スープから始まる晩餐が永遠に続くため、永遠にテーブルに座り続け、スープの一口さえ飲めないという状況を示し、永遠の至福という概念の矛盾を指摘します。
さらに師は、天国にも階層があることを説明します。聖典に基づき、幸福の度合いを数値化する思考実験を展開します。健康で、知性があり、教養があり、ダルマ(法)に従った生活を送り、地球全体を所有し、競争者も脅威もない若者が享受する幸福を1単位とすると、マヌシュヤ・ガンダルヴァの幸福はその100倍、デーヴァ・ガンダルヴァの幸福はさらにその100倍、そしてピトリ(祖霊)、アジャナ・デーヴァ、カルマ・デーヴァ、インドラ、ブリハスパティ、プラジャーパティ、ブラフマーへと段階的に増大していきます。しかし重要なのは、天国においてさえ地位によって幸福の度合いが異なるため、比較がつきまとい、不満が生じうるということです。
師は現代の若者の海外志向を例に挙げ、ケーララ州出身の信者のエピソードを紹介します。クウェートで成功していたその信者は、サットサンガ(霊的集い)を開きたいと希望しましたが、どの方向に1時間車を走らせても国境に達してしまい、木一本見つけることさえ困難な環境でした。緑豊かなケーララから来た人間が、一本の木を求めて何マイルも走り回る様子は、物質的豊かさ(アーナンダ)があっても環境的な喜びが得られないことの象徴です。
記事の結論として、師は力強く宣言します。「どこへ行こうと、何を変えようと、状況がもたらす幸福は常に相対的である。あらゆる状況には二面性がある。一方が良ければ、他方はそうではない。したがって、状況を変えることによって悲しみの問題を解決することはできない」。この教えはヴェーダーンタ哲学の核心であり、真の幸福は外的状況ではなく、自己の内なる認識の変容によってのみ達成されることを示唆しています。本記事はArsha Vidya Research and Publication Trust(チェンナイ、インド)の提供です。
「Rare Temple」コーナーでは、スリランカのキャンディにある「スリ・ダラダ・マーリガーワ」(Sri Dalada Maligawa)、すなわち神聖な仏歯寺が詳しく紹介されています。この寺院は、スリランカで最も崇敬される聖地の一つであり、仏陀の左犬歯(聖歯)を祀る場所として世界的に知られています。
寺院はかつてのキャンディ王国の王宮に隣接し、キャンディ湖を見渡す位置にあります。仏陀の聖歯を守護する者は、自動的に国を統治する権利を得るという伝統があり、聖歯はシンハラ人のアイデンティティと誇りの重要な象徴となっています。毎日、白い衣装に身を包んだ何千もの巡礼者が蓮の花やフランジパニを手に供養と祈りのために訪れます。聖歯自体は金の舎利容器(カスケット)の中に納められており、信者はプージャー(礼拝)の際に、聖歯が安置されている厳重に守られた内陣を拝観します。
記事は聖歯の伝説にも触れています。仏陀がクシナーラー(インド)で荼毘に付された際、白檀の火葬の灰から左犬歯が取り出され、ブラフマダッタ王に献上されました。インドで最後に聖歯を所有したカリンガのグハシヴァ王が、4世紀にスリランカのキルティ・スリ・メーガヴァンナ王の治世にこれを密かに運び込み、アヌラーダプラに最初の祠が建てられました。聖歯を所有する者が国を治める神聖な権利を持つという伝統が確立され、以後聖歯は島内の様々な王宮を転々とし、最終的に16世紀後半にキャンディに落ち着きました。
寺院の歴史も詳述されています。最初の仏歯寺はウィマラダルマスーリヤ1世(在位1592-1604年)によって建設されましたが、ポルトガルの侵略により破壊されました。ラージャシンハ2世(在位1635-1687年)が同じ場所に第二の寺院を建設しましたが、オランダによって焼失しました。1687年にウィマラダルマスーリヤ2世が三階建てのダラダ・マードゥラを建築しましたが、やがて朽ちていきました。現在見られる二階建てのダラダ・マードゥラは、ナレンドラシンハ王(1707-1739年)によって建設されたものです。その後、南インドの王たちが修復を行い、キールティ・スリ・ラージャシンハ王が美化し、スリ・ウィクラマ・ラージャシンハ王(1799-1815年)が八角堂(オクタゴナル・パヴィリオン)を建設しました。
寺院の建築は伝統的なキャンディ様式で、精巧な木彫り、象牙の彫刻、そして本殿の上の金の天蓋が特徴です。聖歯の三人の主要な守護者(マルワッタ派とアスギリヤ派の大長老およびディヤワダナ・ニラメー)が途切れることなく宗教的儀式を執り行っています。1988年にはユネスコ世界遺産に登録されました。
儀式面では、聖歯を納めた内陣は一日三回開かれ、伝統的な太鼓と詠唱が行われます。毎週水曜日には香水と芳しい花を用いた聖歯の象徴的な沐浴が行われ、これには治癒力があると信じられています。また、毎年7月か8月に催される10日間のエサラ・ペラヘラ祭では、踊り手、太鼓奏者、華やかに飾られた象たちがキャンディの街を練り歩き、聖歯の舎利容器を巡行させる壮大な行列が繰り広げられます。寺院の敷地内には考古学博物館と王宮・王妃宮殿もあり、聖歯は生きた仏陀そのものの顕現として崇拝され、信者は霊的な癒しのエネルギーを受けるとされています。
