■カッララガル寺院について■
インド南部タミル・ナードゥ州の古都マドゥライの近く──緑あふれるアラガルの丘の麓に、静かにたたずむ壮麗な寺院があります。
それが、信仰・歴史・芸術の粋を結集したカッララガル寺院です。
古くは「ヴィシュヌ神が住まう神聖な森」を意味するティルマリルンチョーライの名で知られ、この聖地は長きにわたり、南インドの宗教と文化の中心として人々の心を魅了し続けてきました。
寺院の主神であるヴィシュヌ神は「アラガル(美しい者)」として崇拝され、その前に付く「カッラル」という言葉が深い意味を添えています。
「カッララガル」というこの名前には三つの解釈があります。
第一に、この地域に住んでいたカッラル族という武闘部族の守護神が、次第にヴィシュヌ信仰と融合したという説です。
第二に、神の美しさが人々の心を「盗む」ことから「カッラル(盗賊)」と呼ばれるという詩的解釈があります。
第三に、ミーナークシー女神の結婚式への贈り物を守るため、神がカッラル(盗賊)の姿に変装したという物語に由来するとされています。
この寺院にはさまざまな神話が伝わり、そのひとつにスタパス仙の物語があります。
水中瞑想を得意とするスタパス仙が、アラガルの丘の泉で深い瞑想に没頭していた時、短気で知られるドゥルヴァーサ仙が通りかかりました。
瞑想に集中していたスタパス仙はドゥルヴァーサ仙に気づかず、怒ったドゥルヴァーサ仙はスタパス仙をカエル(マンドゥカ)に変身させる呪いをかけます。
マンドゥカ・マハリシ(カエルの仙人)となったスタパス仙は、ヴァイガイー川のほとりの村で長い間苦行を続けました。
その献身的な祈りに感動したカッララガル神は、丘の住処を離れてヴァイガイー川のほとりに降臨し、スタパス仙の呪いを解いて元の姿に戻したと伝えられます。
寺院にまつわる別の神話は、シヴァ派の拠点であるマドゥライのミーナークシー・アンマン寺院との絶妙な結びつきを物語ります。
この伝説では、カッララガル神(ヴィシュヌ神)がミーナークシー女神(パールヴァティー女神の化身)の兄として描かれています。
ミーナークシー女神とスンダレーシュヴァラ神(シヴァ神の化身)の天の結婚式で、兄であるカッララガル神は花嫁を引き渡す神聖な儀式を執り行う予定でした。
黄金の馬に乗り、豪華な贈り物を携えて長い道のりを旅立ちましたが、途中で信者たちを祝福するために度々立ち止まったため、到着が遅れてしまいます。
ヴァイガイー川のほとりに着いた時、既に結婚式は終わっていました。
深く失望し怒ったカッララガル神は川を渡ることを拒み、マドゥライ市内への入城を断りました。
しかし、ミーナークシー女神とスンダレーシュヴァラ神が川中に設けられた仮設の祭壇でカッララガル神を迎え、そこで贈り物を受け取った後、カッララガル神は丘の住処へと戻っていきました。
この神話は、シヴァ派とヴィシュヌ派を統合し、地域の宗教的調和と経済的繁栄を促進するものとして言い伝えられています。
寺院の聖なる泉の起源も神話に彩られています。
ヴィシュヌ神がヴァーマナ神の化身でトリヴィクラマ(三界を三歩で跨ぐ者)の姿となり、足で宇宙を測った際、その足が最高天ブラフマローカに達しました。
そして、ブラフマー神がその神聖な足を洗った時、ガンジス川の聖水がヴィシュヌ神の足首飾りに滴り、地上のアラガルの丘に落ちて永遠に流れ続ける泉となったといわれています。
この天由来の聖水は、純金でできた祭礼用のカッララガル神像の聖浴に唯一使用が許される水であり、他の水を使えば黄金の像は即座に黒く変色すると信じられています。
寺院の建築は、パーンディヤ朝時代の基礎構造から始まり、ヴィジャヤナガル王国とナーヤカ朝時代の壮大な拡張によって現在の姿に至りました。
寺院の建築で最も特徴的なのは、円形のソーマチャンドラ・ヴィマーナです。
一般的な四角形や八角形ではなく円形というこの形状は、古代パーンディヤ時代の建築様式を反映した貴重な遺構とされています。
今日でも寺院は生きた信仰の中心として機能しています。
毎日6回の礼拝が行われ、最後の夜の礼拝はヤマ神(死神)自身が執り行うという神秘的な信仰があります。
カッララガル神は、正義の守護者としての側面を強く持つヴィシュヌ神の顕現であり、この寺院での祈りには、不正や災厄からの守護、心身の平安と精神的な強さ、「ダルマ(正しい道)」を歩む力が授けられると信じられます。
また、この地は長い間「罪を洗い流す地」として知られ、過去のカルマによる罪の浄化の恩恵もあると伝えられています。
カッララガル寺院は、神話と歴史、建築と信仰が重層的に積み重なった南インド文化の結晶です。
それは過去の遺物ではなく、現在も成長し続ける生きた聖地として、タミル世界の文化的・精神的中心地であり続けています。
■寺院の詳細■
・場所:
カッララガル寺院(マドゥライ)
・主神:カッララガル神(ヴィシュヌ神)
・特徴:南インドでも最古級のヴィシュヌ寺院のひとつとされ、災厄からの守護や罪の浄化の恩寵が授けられると伝えられる
・建築:ドラヴィダ建築
・歴史:寺院の基礎構造は初期パーンディヤ朝の王たちに帰属するとされるも、サンガム時代に起源を持つとされる
■このプージャー・サービスの内容■
・カッララガル寺院(マドゥライ)でのアルチャナ(神前において僧侶が名前を奏上する儀式)
※お申し込み日(ご入金日)より
2週間後(+14日)からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第1希望での実施が難しい場合があるため、第3希望までの日程をご入力ください。
※2〜3ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします(写真は付属いたしません)。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ(未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます)をお知らせください。
※1回のお申し込みで、同じ姓のご家族4名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは1回のお申し込みにつき1名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、1回のお申し込みにつき、1名様分のみの情報をご記入ください。
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