ジューレーラール・ジャヤンティー
ジューレーラール・ジャヤンティーについて

ジューレーラール(Jhulelal)は、インダス川(シンドゥ)のほとりで暮らしてきたシンド人に崇拝される存在で、水の神ヴァルナ神の化身として語り継がれています。
ジューレーラール・ジャヤンティーは、その降誕を記念する日で、別名チェーティー・チャンドとも呼ばれます。
暦ではチャイトラ月(3月〜4月)におけるシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)のドヴィティーヤー(2日目)にあたります。
この日はシンド人の新年ともされ、水の神が地上に現れた出来事を祝う重要な機会と位置づけられています。
伝承の舞台は10世紀頃のシンド地方タッターの街です。
当時の統治者ミルクシャー王が改宗を迫り、人々は信仰の自由を失う危機に直面しました。
逃げ場のない状況の中で、人々はインダス川の岸辺に集まり、40日間の断食と苦行を行い、ヴァルナ神に救いを祈りました。
40日目の夕刻、川中から天の声が響き、恐れる必要はないこと、8ヶ月後にナサルプルの夫妻のもとに救世主が生まれることが告げられました。
この約束の成就が、チェーティー・チャンドの由来とされています。
8ヶ月後に誕生した少年はウダイチャンド、別名ウデーローラールと呼ばれます。
名には「水から立ち上がる者」という意味があるとされ、誕生の際には季節外れの雨が降ったという語りもあります。
幼少期には揺り籠がひとりでに揺れたと伝えられ、そこから「揺り籠に揺れる愛しき者」を意味するジューレーラールの名で親しまれるようになりました。
ミルクシャー王は脅威を感じ、部下アヒリオーを刺客として送り、毒を忍ばせたバラで害そうとします。
しかし、少年が息を吹きかけると毒が消え、花びらが供物のように散ったとされています。
さらに少年は賢者や戦士の姿へ変化し、アヒリオーは相手が特別な存在だと悟ったと伝えられます。
その後、ウデーローラールは王と対峙します。
彼は、アッラーとイーシュヴァラは同じ一つの真実を指すという趣旨を述べ、信仰の違いを否定し合うことに意味はないと諭したと伝えられます。
王は悔い改め、以後は水と光を讃える儀礼が宗教の垣根を越えて共有されるようになったと言われます。
ジューレーラールの図像には象徴が付与されています。
魚のパッラーに乗る姿は逆流に耐える力、蓮の上に座る姿は世俗に染まらない清浄さ、書物は知恵、白髭は成熟、王冠の孔雀の羽根は煩悩の克服、背景の青は広大さを表す、と説明されます。
このジューレーラールの教えは、千年の時を経た今もなお、インダス川の流れのように絶えることなく、人々の心に寄り添い続けています。