エーカーダシー
エーカーダシーについて
月の満ち欠けのそれぞれ11日目に訪れるエーカーダシーは、ヴィシュヌ神に捧げられる日となり、断食や瞑想を行うことが勧められます。
インドの暦は、こうした月のサイクルに深く結びついています。
その月は人々の心に関連すると信じられ、この月のサイクルに従った行いは、自身の心を整えるより良い機会であると、さまざまな行いが月の様相に通じて古くから伝えられてきました。
特に、この満月・新月からの11日目は、月の満ち欠けから生じる引力の影響から、感覚器官や心の働きが落ち着き、体に感じる空腹の影響も少なく、断食も行いやすいものであると伝えられます。
また、11が意味するものは、5つの感覚、器官、そして心を合わせた11のものであり、このエーカーダシーにおいては、それらを統制することが重要な行いとなります。
特に断食は、絶え間なく働き続けていた体のあらゆる部分を休ませ、忙しなくあちこちに飛び散っていた意識を落ち着かせます。
体の浄化に加え、欲から切り離されることで心の雑念までもが洗い流され、神が宿る場所としての肉体、精神が生み出されていきます。
困難を伴う感覚の統制も、瞑想やジャパなどを通じ崇高者に心を定めることで容易なものとなります。
エーカーダシーを通じ瞑想するヴィシュヌ神の本質は、時の流れにかかわらず、宇宙が生成する以前に存在し、そして消滅した後も存在し続けると言われます。
エーカーダシーは、万物の中にあまねく浸透する存在と一つとなる機会でもあります。