ナラカ・チャトゥルダシー
ナラカ・チャトゥルダシーについて
ナラカ・チャトゥルダシーは、およそ5日間にわたって盛大な祝福が続くディーワーリーの2日目にあたります。
富の祝祭として知られるダンテーラスの次の日にあたり、カールッティカ月(10月〜11月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の14日目に祝福されます。
このナラカ・チャトゥルダシーは、大破壊をもたらした悪鬼ナラカースラ(地獄のアスラの意味)を、クリシュナ神の妻のひとりであるサティヤバーマーが倒した日として崇められます。
一部の慣習では、カーリー女神がナラカースラを倒した日として、カーリー女神への盛大な礼拝が行われることもあります。
ナラカースラの生まれにはさまざまな説がありますが、一説には、大地の女神であるブーミと、ヴィシュヌ神の化身であるヴァラーハ神との間に生まれたと信じられます。
神の子として生まれたにも関わらず、ナラカースラは後にバーナースラと呼ばれる悪魔と関わりを持ち、その悪に染まるようになります。
やがて、世界を征服する力を手に入れようと、ナラカースラは苦行を始めました。
そして、母親であるブーミ女神以外には倒されないという恩恵を手に入れます。
我が子を手にかける母親はいないという考えから、ナラカースラは自らが不滅であると過信していました。
そんなナラカースラは、16,000人もの女性を誘拐し監禁するなど、世界を恐怖に陥れました。
しかし、ナラカースラはブーミ女神の化身と信じられるサティヤバーマーに倒されます。
そして、クリシュナ神が倒されたナラカースラから16,000人の女性を解放すると、一人一人を妻として受け入れたといわれます。
秋から冬へと日が短くなる、暗い新月の夜に祝福されるディーワーリーは、闇に光を灯すことで祝福される祝祭です。
私たちは生きる日々において、神の子でありながら悪魔になったナラカースラのように、欲望に支配され、光から一転して闇を経験することがあります。
ディーワーリーは、善が悪に打ち勝つことを象徴する祝祭です。
このナラカ・チャトゥルダシーの日は、チョーティー・ディーワーリー(小さなディーワーリー)とも呼ばれ、人々は小さな光を灯し始め、本格的なディーワーリーの準備を始めます。
この機会を通じて神々に近づき、意識的に光を灯す行いを実践することで、闇や悪から遠ざかり、光と善をもたらすことができるでしょう。