コージャーガラ・プールニマー
コージャーガラ・プールニマーについて
コージャーガラ・プールニマーは、アーシュヴィナ月(9月〜10月)の満月に祝福される祝祭です。
シャラダ・プールニマーとも呼ばれ、ナヴァラートリとディーワーリーに間に迎える、とても吉兆な満月とされています。
一説に、この満月の月明かりは、不老不死の霊薬であるアムリタのような恩恵を私たちの心身に授けるといわれます。
その力は、アムリタ・ヴァルシャ(甘露の雨)と呼ばれるほどで、この夜、人々はキールと呼ばれるミルク粥を作り、月明かりの下に捧げます。
この夜の月明かりを浴びたものはアムリタになると信じられ、人々は心地よい月明かりの下で、アムリタとなったミルク粥を食します。
この夜にミルク粥を食する理由には、生命の科学に基づいた教えがあります。
インドでは、長く続いていた酷暑期と雨期が終わり、夏から秋に向かう季節です。
日中はまだとても暑く、夜は少しずつ冷え始めます。
この時、私たちの身体では熱の性質をもつピッタが乱れ、心身にさまざまな不調があらわれ始めるといわれます。
夜にミルクと米を食することは、このピッタを落ち着かせるための最善の方法として勧められてきました。
月夜の下に置かれたミルク粥は夜風に冷まされ、私たちの心身に入るとピッタを落ち着かせます。
健康と幸福を授けるミルク粥、それはまさに、霊薬であるアムリタに他ありません。
収穫祭にあたる地域も多いこの満月は、豊穣の女神であるラクシュミーを夜通し礼拝する時でもあります。
この夜、ラクシュミー女神は目を覚ましている者を見つけると、その者に喜びを授けるのだといわれます。
美しい自然の情景、特に、満月を眺めることはピッタを落ち着かせると信じられてきました。
ラクシュミー女神は、私たちに健康と幸福を授けるために、この夜にあらわれると信じられています。
また、クリシュナ神は牛飼いの乙女たちと神秘の踊り(ラーサ・リーラー)をこの満月の夜に踊ったといわれ、クリシュナ神にまつわる聖地でも、盛大な祝福が執り行われます。