ガーヤトリー・マントラ

・Om AnjaneyAya vidmahe
vAyu putrAya dhImahi
tanno hanumat prachodayat
・オーム・アーンジャネーヤーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァーユ・プットラーヤ・ディーマヒー
タンノ・ハヌマット・プラチョーダヤートゥ
意味: どうか女神アンジャナーの息子(ハヌマーン)を知り、
風神ヴァーユの息子(ハヌマーン)を瞑想できますように。
ハヌマーンが、私たちをそこに導き、照らしてくれますように。

ハヌマーンは、ラーマ神の偉大な帰依者であり、信愛と献身のシンボルとして崇められています。
ハヌマーンは、ラーマ神によりチランジーヴィ(不死)としての祝福を授かり、インド全土の寺院で祀られています。ラーマを祀る寺院では、必ずハヌマーン像が安置されています。それは、ラーマ神への礼拝は、ハヌマーンへの礼拝があってはじめて完結するからです。
信愛と献身のシンボルであるハヌマーンへの理解なくして、ヒンドゥーのダルマを理解することはできないともいわれています。
このマントラの収録されているCD:
ハヌマーン・ガーヤトリー・マントラ(Japa Mantra 108)



・Om dAmodarAya vidmahe
rukminIvallabhAya dhImahi
krishnah prachodayAt
・オーム・ダーモーダラーヤ・ヴィッドゥマヘー
ルクミニー・ヴァッラバーヤ・ディーマヒー
タンノ・クリシュナ・プラチョーダヤートゥ
・意味:どうかダーモーダラ(クリシュナ)を知り、
ルクミニーの最愛の方を瞑想できますように。
クリシュナが、私たちをそこに導き、照らしてくれますように。

ヴィシュヌ神の化身クリシュナ・ガーヤトリーです。
クリシュナは幼少の頃から、神の遊戯によって人々を魅了してきました。
クリシュナを信愛することは、もっとも功徳高き行為であり、神へ近づくための最良の方法です。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「クリシュナ・ガーヤトリー・マントラ(Japa Mantra 108)



・Om mahAlakshmyai cha vidmahe
vishnu patnyai cha dhImahi
tanno lakshmihi prachodayAt
・オーム・マハーラクシュミェイ・チャ・ヴィッドゥマヘー
ヴィシュヌ・パトニェイ・チャ・ディーマヒ
タンノ・ラクシュミヒ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがマハーラクシュミーを知り
ヴィシュヌの妃を瞑想できるように、
ラクシュミーよ、我らを導き給え

富と幸運の女神であるラクシュミー女神を讃えるガーヤトリー・マントラです。
このラクシュミー・ガーヤトリー・マントラを唱えることで、富、地位、名声が手に入ると信じられています。



・Om devakI nandanAya vidmahe
vAsudevAya dhImahi
tanno krishna prachodayAt
・オーム・デーヴァキー・ナンダナーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァースデーヴァーヤ・ディーマヒ
タンノ・クリシュナ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがデーヴァキーの愛し子を知り
ヴァースデーヴァを瞑想できるように
クリシュナよ、我らを導き給え

クリシュナをたたえるガーヤトリー・マントラです。
デーヴァキーは、クリシュナの母であり、ヴァースデーヴァはヴァスデーヴァの子の意味で、クリシュナの別名となっています。
このクリシュナ・ガーヤトリーには、あらゆる物事を実行できるダイナミックなエネルギーを、唱える人々の生活にもたらすといわれています。またこのマントラの聖なる援助によって、激しい苦行が可能になるとされます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「モーニング・チャント クリシュナ」(トラック1)

・Om kAtyAyanAya vidmahe
kanyakumAri dhImahi
tanno durgih prachodayAt
・オーム・カーティヤーヤナーヤ・ヴィッドゥマヘー
カンニャクマーリ・ディーマヒ
タンノ・ドゥルゲ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがカーティヤーヤニーを知り
カニヤクマーリーを瞑想できるように
ドゥルガーよ、我らを導き給え

宇宙エネルギーであるシャクティの化身ドゥルガーに捧げるガーヤトリー・マントラです。
カーティヤーヤニーは、ドゥルガー女神、またはパールヴァティー女神の別名で、カーティヤーヤナ(古代インドの聖仙)の娘という意味があります。
またカニヤクマーリーは、ドゥルガー女神の別名で、サンスクリット語で処女の意味があります。
ドゥルガー女神は、邪悪な力、貧困、病気、悪習、憂鬱を払拭する女神です。このマントラのジャパ(念誦)を行うことで、鈍重さ、悲哀、不正な想いなどが取り除かれるといわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om vaishvAnarAya vidmahe
lAlIlAya dhImahi
tanno agnih prachodayAt
・オーム・ヴァイシュヴァーナラーヤ・ヴィッドゥマヘー
ラーリーラーヤ・ディーマヒ
タンノ・アグニ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らが一切人火(ヴァイシュヴァーナラ)を知り
一切を燃やし尽くす方を瞑想できるように
アグニよ、我らを導き給え

火天アグニに捧げるガーヤトリー・マントラです。
アグニの別名のひとつに、ヴァイシュヴァーナラがあります。ヴァイシュヴァーナラは一切人火と訳され、すべての人の中に存在して、食物を消化すると考えられている火です(上村勝彦訳、バガヴァッド・ギーター、岩波文庫、p207参照)。
アグニのマントラは、ホーマやハヴァナなど、聖火に供物を捧げる儀式(護摩)には欠かすことができません。
アグニの宿る聖火により、私たちの一切の穢れや、大気の汚染が燃やし尽くされると信じられています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om bhAskarAya vidmahe
mahAdyutikarAya dhImahi
tanno Adityah prachodayAt
・オーム・バースカラーヤ・ヴィッドゥマヘー
マハーディユティカラーヤ・ディーマヒ
タンノ・アーディティヤ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがバースカラ(光をつくる方)を知り
偉大なディユティカラ(光彩を放つ方)を瞑想できるように
アーディティヤ(アーディティの息子)よ、我らを導き給え

太陽神スーリヤに捧げるガーヤトリー・マントラです。
スーリヤは、世界中の人々が古くから礼拝してきた自然の恵みであり、多くの別名があります。
スーリヤを礼拝することによって、健康、活力、良運がもたらされ、さまざまな困難が解消されるといわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om vajranakhAya vidmahe
tIkshnadamstrAya dhImahi
tanno nArasimha prachodayAt
・オーム・ヴァジュラナカーヤ・ヴィッドゥマヘー
ティークシュナダンストラーヤ・ディーマヒ
タンノ・ナーラシンハ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らが硬い爪をもつ方を知り
鋭い牙をもつ方を瞑想できるように
ナラシンハよ、我らを導き給え

人獅子ナラシンハ(ヌリシンハ)に捧げるガーヤトリー・マントラです。
魔王ヒラニヤカシプは、ヴィシュヌ神の熱心な帰依者である息子のプラフラーダをよく思っていませんでした。息子が父ヒラニヤカシプに、ヴィシュヌ神の偉大さを説くと、三界を征服していた父は非常に腹立たしくなりました。
ヒラニヤカシプは、苦行の賜物として、神、魔神、人間、動物によって殺されることのない肉体を手にしていましたが、ヒラニヤカシプの悪態を見るに見かねたヴィシュヌは、神、魔神、人間、動物でもない人獅子ナラシンハとなって、ヒラニヤカシプを倒しました。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om nArAyanAya vidmahe
vAsudevAya dhImahi
tanno vishnuh prachodayAt
・オーム・ナーラーヤナーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァースデーヴァーヤ・ディーマヒ
タンノ・ヴィシュヌ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがナーラーヤナを知り
ヴァースデーヴァを瞑想できるように
ヴィシュヌよ、我らを導き給え

ヴィシュヌ神(ラーマ、クリシュナ)に捧げるガーヤトリー・マントラです。
ナーラーヤナは、創造主ブラフマーあるいはヴィシュヌの別名とされています。また「人類の祖先の子」など、その意味にはさまざまな解釈があります。
「ナーラーヤナ」自体は、単独で唱えられるマントラでもあり、仕事の始め、仕事中、仕事の終わりに「ナーラーヤナ、ナーラーヤナ、ナーラーヤナ……」と念想する人は、一切の仕事で成功することができるとされています。
ヴァースデーヴァは、ヴァスデーヴァの子の意味で、クリシュナの別名とされます。またナーラーヤナとも同一視されています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om vedAtmanAya vidmahe
hiranyagarbhAya dhImahi
tanno brahma prachodayAt
・オーム・ヴェーダートマナーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヒラニヤガルバーヤ・ディーマヒ
タンノ・ブラフマ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがヴェーダの魂(ブラフマー)を知り
黄金の胎児を瞑想できるように
ブラフマーよ、我らを導き給え

ブラフマー神に捧げるガーヤトリー・マントラです。
ブラフマーは、ヴェーダの魂(ヴェーダ・アートマ)であり、宇宙創造の源である黄金の胎児(ヒラニヤガルバ)です。
一方、卵形をした金色に輝くリンガムは、ヒラニヤガルバ・リンガムと呼ばれます。
ヒラニヤガルバ・リンガムは、インドの聖者が物質化されるもので、この写真を所持するだけでも、神の恩寵、癒し効果、奇跡があるといわれています。
あるインド人医師が、このヒラニヤガルバ・リンガムの写真を患者の身体にかざすことにより、死の淵にある患者が救われたともいわれています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om tat purushAya vidmahe
suvarna pakshAya dhImahi
tanno garudah prachodayAt
・オーム・タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
スヴァルナ・パクシャーヤ・ディーマヒ
タンノ・ガルダ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがそのプルシャ(個我)を知り
美しい翼をもつ方を瞑想できるように
聖鳥ガルダよ、我らを導き給え

聖鳥ガルダに捧げるガーヤトリー・マントラです。
ガルダはヴィシュヌ神の乗り物とされ、身体は人間の姿、頭や翼などは鷲の形をした聖鳥です。
ガルダが生まれたとき、ナーガ族との賭けに負けたガルダの母は、ナーガ(蛇)の囚われの身となっていました。
ナーガは、母の支配を解く代わりに、ガルダに天界にあるアムリタを持ってくるよう命令します。
ガルダが、神々の目を盗み、天界からアムリタを持ち帰る途中、ヴィシュヌと激しい戦いになりましたが、決着はつかず、ヴィシュヌがアムリタをガルダに与える代わりに、自分の乗り物になるようとの交換条件を出したことから、ヴィシュヌの乗り物になったといわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)

・Om tat purushAya vidmahe
mahAsenAya dhImahi
tanna shanmukhah prachodayAt
・オーム・タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
マハーセーナーヤ・ディーマヒ
タンナ・シャンムカ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがそのプルシャ(個我)を知り
偉大な戦士を瞑想できるように
六面の顔をもつ方よ、我らを導き給え

軍神スカンダに捧げるガーヤトリー・マントラです。
スカンダは、シヴァ神とパールヴァティー妃の息子で、ガネーシャの弟にあたります。
スカンダは、サンスクリット語で「攻撃者」の意味があり、マハーセーナ(偉大な戦士)、スブラフマニヤ、カールッティケーヤ、ムルガン(神聖な子)、シャンムカ(六面の顔をもつ者)、ドヴァーダシャークシャ(12の眼をもつ者)など、さまざまな別名があります。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)



・Om tat purushAya vidmahe
chakratundAya dhImahi
tanno nandih prachodayAt
・オーム・タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
チャクラトゥンダーヤ・ディーマヒ
タンノ・ナンディ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがそのプルシャ(個我)を知り
丸い口先を持つ方を瞑想できるように
聖牛ナンディよ、我らを導き給え

聖牛ナンディに捧げるガーヤトリー・マントラです。
ナンディは、サンスクリット語で「幸せなもの」という意味があります。牛は、インドでは神聖なものとして崇められ、ミルク、ギー、バターなどの乳製品をはじめ、人々にさまざまな恵みを運ぶ幸せの象徴です。 牡牛のナンディは、シヴァ神の乗り物として、シヴァ寺院の前には常に安置されています。 このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)

・Om tat purushAya vidmahe
vakratundAya dhImahi
tanno dantih prachodayAt
・オーム・タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァックラトゥンダーヤ・ディーマヒ
タンノ・ダンティ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがそのプルシャ(個我)を知り
曲がった鼻を持つ方を瞑想できるように
長い牙を持つ方よ、我らを導き給え

ガネーシャに捧げるガーヤトリー・マントラのひとつです。
ガネーシャの別名であるヴァックラトゥンダ(曲がった鼻の方)を瞑想し、ダンタ(牙のある方)が至高の境地へ導いてくれるよう、ガネーシャのプルシャに祈願します。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)

・Om tat purushAya vidmahe
mahA devAya dhImahi
tanno rudrah prachodayAt
・オーム・タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
マハー・デーヴァーヤ・ディーマヒ
タンノ・ルドラ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがそのプルシャ(個我)を知り
偉大な神(マハーデーヴァ)を瞑想できるように
ルドラ(シヴァ)よ、我らを導き給え

シヴァ神(ルドラ)に捧げるガーヤトリー・マントラのひとつです。
リグ・ヴェーダにおける「プルシャ讃歌」では、プルシャは、1000の頭・目・足をもつ偉大な神とされていましたが、次第に人格を失い、ウパニシャッドでは、プルシャは形而上学的な原理とされてアートマン(自己)と同一視されるようになりました。
サーンキヤ哲学では、物質的原理のプラクリティに対して、精神的原理のプルシャといわれます。(参照:菅沼晃編、インド神話伝説辞典、東京堂出版)
このルドラ・ガーヤトリーでは、偉大なルドラのプルシャ(精神的原理)を知り、至高の境地へ導いてくれるようシヴァ神に祈願します。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック12)

・Om yaksharAjAya vidmahe
vaishravanAya dhImahi
tanno kubera prachodayAt
・オーム・ヤクシャラージャーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァイシュラヴァナーヤ・ディーマヒー
タンノ・クベーラ・プラチョーダヤートゥ
・意味:どうか夜叉(ヤクシャ、精霊的な存在)の主神(クベーラ)を知り、
ヴァイシュラヴァスの子(クベーラ)を瞑想できますように。
クベーラ神が、私たちをそこに導き、照らしてくれますように。

富の神クベーラのガーヤトリー・マントラです。
クベーラは、仏教では毘沙門天、多聞天として知られています。またクベーラに、ダナパティ(財宝の主)、イッチャーヴァス(望みの財産を得る者)などの別名があります。 このマントラは、膨大な資産や富を祈願するために唱えられます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「クベーラ・ガーヤトリー・マントラ

・Om parama hamsaya vidmahe
mahatattvaya dhimahi
tanno hamsah prachodayat
・オーム・パラマ・ハンサーヤ・ヴィッドゥマヘー
マハタットヴァーヤ・ディーマヒ
タンノ・ハンサ・プラチョーダヤートゥ
・意味:どうか至高のハンサを知り、
偉大な真理を瞑想できますように。
ハンサが、私たちをそこに導き、照らしてくれますように。

ハンサ(ハムサ)は、一般に鵞鳥といわれますが、ヴェーダと結びついた神聖なイメージに近づけるために、白鳥とも訳されます。「ハンサの優雅な飛び方はブラフマンに到達しようとするヒンドゥーの行者たちの宗教的な行為を象徴するとも見られ、ヒンドゥー教神話ではブラフマー神の乗り物となった。」[1]といわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Evening Mantras」(トラック5)
[1]菅沼晃編、インド神話伝説辞典、p270、東京堂出版