バガヴァッド・ギーター
バガヴァッド・ギーター
・matkarmakrnmatparamo madbhaktah sangavarjitah
nirvairah sarvabhUteshu yah sa mAmeti pAndava
・マットカルマクルンマットパラモー・マッドバクタハ・サンガヴァルジタハ
ニルヴァイラハ・サルヴァブーテーシュ・ヤハ・サ・マーメーティ・パーンダヴァ
・意味:私のための行為をし、私に専念し、私を信愛し、執着を離れ、すべてのものに対して敵意ない人は、まさに私に至る。アルジュナよ。(上村勝彦訳)
バガヴァッド・ギーター第11章55節です。
スワミ・シヴァーナンダは、この詩節について、次のように述べています。
「この詩節は、ギーターのすべての教えのエッセンスである。この教えを実践する者は、窮極の祝福と解脱を手にするだろう。このような人は、クリシュナを悟り、彼の存在の中に入り、まさに彼と一体になる。これは、ギーター全体の哲学の要旨である(http://www.dlshq.org/download/bgita.htm)。」
比較宗教学、比較哲学のラーダークリシュナン博士をはじめ、この詩節がギーターの教えの本質であるとする学者も少なくありません。
ここで述べられている「私のための行為」とは、クリシュナを念想することであるといわれます。
何をしている時でも、常にクリシュナが間近に存在し、私たちを見守っていると感じること。常にクリシュナの姿を目の前に思い浮かべること。クリシュナは万物に浸透していると知り、憎しみなどの感情を離れてすべてを平等に見ること。このようにクリシュナに最高の信愛(バクティ)を捧げる人々は、クリシュナと一体になることができるといいます。
ラーマーヌジャは、「このような啓発的な思考により、クリシュナの信奉者はすべての敵から逃れ、クリシュナに至るためのすべての美徳を獲得する」と述べています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「
バガヴァッド・ギーターCDギフトボックス 」(CDAB099)
・「
バガヴァッド・ギーター マルチメディアブック 」(GitaMultimedia)
・teshAmevAnukampArtham ahamajnAnajam tamah
nAshayAmyAtmabhAvastho jnAnadIpena bhAsvatA
・テーシャーメーヴァーヌカンパールタム・アハマジュニャーナジャン・タマハ
ナーシャヤーミャートマバーヴァストー・ニャーナディーペーナ・バースヴァター
・意味:まさに彼らへの憐愍のために、私は個物(アートマン)の心に宿り、輝く知識の灯火により、無知から生ずる闇を滅ぼす。※
バガヴァッド・ギーターのエッセンスを抜き出した4詩節であるチャトル・シュローキー第4節(バガヴァッド・ギーター第10章11節)です。
私たちの無知という暗闇は、至高神への信愛を燃料とする知識の灯火により追い払われるといいます。その知識の灯火は、クリシュナへの信愛という燃料が切れかかるとき、感官への執着や欲望が生じ灯火の芯がなくなるとき、または外部の困難という強風により、さまざまな理由で消えかかるときがあるかもしれません。しかし、苦行を通じて絶え間なく知識の灯火を輝かせることにより、自己(アートマン)に生来内在するブラフマン自身が照らし出されるといわれます。
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・teshAm satatayuktAnAm bhajatAm prItipUrvakam
dadAmi buddhiyogam tam yena mAmupayAnti te
・テーシャーン・サタタユクターナーン・バジャターン・プリーティプールヴァカム
ダダーミ・ブッディヨーガン・タン・イェーナ・マームパヤーンティ・テー
・意味:常に〔私に〕専心し、喜びをもって私を信愛する彼らに、私はかの知性(ブッディ)のヨーガを授ける。それにより彼らが私に至るところの。※
バガヴァッド・ギーターのエッセンスを抜き出した4詩節であるチャトル・シュローキー第3節(バガヴァッド・ギーター第10章10節)です。
人々が成就に達するためには、至高神の手助けが必要といわれます。それには、至高神クリシュナを常に念想し、心から信愛することで、クリシュナが窮極の境地に達するために必要な知性のヨーガを、内的霊感によって与えるといいます。
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・maccittA madgataprAnA bodhayantah parasparam
kathayantashca mAm nityam tusyanti ca ramanti ca
・マッチッター・マドガタプラーナー・ボーダヤンタハ・パラスパラム
カタヤンタシュチャ・マーン・ニッティヤム・トゥシュヤンティ・チャ・ラマンティ・チャ
・意味:私に心を向け、生命を私に捧げ、互いに目覚めさせつつ、彼らは常に私について語り、満足し楽しむ。※
バガヴァッド・ギーターのエッセンスを抜き出した4詩節であるチャトル・シュローキー第2節(バガヴァッド・ギーター第10章9節)です。
クリシュナを念想し、クリシュナに行為のすべてを捧げ、信徒同士が互いに啓発しあうこと、至高神クリシュナにとって、このような人ほど愛しい人はいないといいます。
クリシュナは、「私に最高の信愛(バクティ)を捧げ、私の信者たちの間にこの最高の秘密を説く人は、疑いなくまさに私に至るであろう。」(18.68)といい、「人のうちで、彼ほど私に好ましいことをする者はいない。またこの地上に、私にとって彼ほど愛しい者はいないであろう。」(18.69)と、クリシュナを信愛する人々が、クリシュナにとって最も愛しい人々であることを縷々述べています。
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・aham sarvasya prabhavo mattah sarvam pravartate
iti matvA bhajante mAm budhA bhAva-samanvitAh
・アハン・サルヴァッスャ・プラバヴォー・マッタハ・サルヴァン・プラヴァルタテー
イティ・マットヴァー・バジャンテー・マーム・ブダー・バーヴァ・サマンヴィターハ
・意味:私は一切の本源である。一切は私から展開する。そう考えて、知者たちは愛情をこめて私を信愛するのである。※
バガヴァッド・ギーターのエッセンスを抜き出した4詩節であるチャトル・シュローキー第1節(バガヴァッド・ギーター第10章8節)です。
アルジュナは、クリシュナに対し「このように常に〔あなたに〕専心し、あなたを念想する信者(バクタ)たちと、不滅で非顕現なものを〔念想する〕人々とでは、どちらが最もヨーガを知る者であるか。」(BG 12.1)と問いました。
この問いに対しクリシュナは、不滅で非顕現なものを念想することによっても最高の成就に達することができるとしつつも、「非顕現なものに専念した人々の苦労はより多大である。というのは、非顕現な帰結は、肉体を有する人々によっては到達されがたいから。」と答えています。
マーヤー(幻力)に覆われた私たちの知性は、至高神は非顕現で見ることができず、無形の存在であると考えます。特に私たちは、古来より万物の中に至高的存在を感じ、八百万の神々を日本伝統の美としてきました。しかしクリシュナは、無形の神を念想するよりも、擬人化された神を念想するほうがより容易に成就に達することができると説きます。
これは、至高神が非顕現で目に見えず無形の存在であると信じる人々にとっては受け入れがたい真実であるにもかかわらず、すべての人間は至高神の顕れであると説くヴェーダ聖典の教えを踏襲した叡智です。
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※上村勝彦訳、バガヴァッド・ギーター、岩波文庫
・klaibyam mA sma gamah pArtha naitattvayyupapadyate
kshudram hridayadaurbalyam tyaktvottishtha parantapa(BG 2.3)
・クライビャム・マー・スマ・ガマハ・パールタ・ナイタットヴァイユパパディヤテー
クシュドラム・フリダヤダウルバリャム・ティヤクトヴォーッティシュタ・パランタパ
・意味:アルジュナよ、女々しさに陥ってはならぬ。それはあなたにふさわしくない。卑小なる心の弱さを捨てて立ち上がれ。(上村勝彦訳)
スワミ・ヴィヴェーカーナンダは、この一節には、ギーターのすべてのメッセージが込められており、この一節を読むことで、全ギーターを読むだけの功徳があると述べています(
Thoughts on the Gita )。
私たちは内面にある欲望という強敵と、外面に立ちはだかる難題に向かって戦い続けなければなりませんが、ギーターのこの一節は、どのような時も弱気に陥ってはならないことを伝えています。
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・Sarvadharmaanparityajya Maamekam Sharanam Vraja
Aham Tvaa Sarvapaapebhyo Mokshayisyaami Maa Shuchah(BG18.66)
・サルヴァダルマーンパリティヤジャ・マーメーカム・シャラナム・ヴラジャ
アハム・トヴァー・サルヴァパーペービョー・モークシャイーシュヤーミー・マー・シュチャハ
意味:一切の義務(ダルマ)を放棄して、ただ私のみに庇護を求めよ。私はあなたを、すべての罪悪から解放するであろう。嘆くことはない。(上村勝彦訳、岩波文庫)
ヴィシュヌ派の人々にとって、このギーターの詩節は、「チャラマ・シュローカ(最終詩節)」としてもっとも重要な詩節とされています。赤松明彦著『
バガヴァッド・ギーター 神に人の苦悩は理解できるのか 』によると、クリシュナがアルジュナに対して一人称で語りかけているのは、この詩節だけであり、そのことからも、この詩節の重要性がひしひしと伝わってきます。
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・「
シュリーマド・バガヴァッド・ギーター(第14章〜第18章) 」(VMCDH18)
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